看護実習生のためのバイタルサインのイロハ

脈拍測定で分ること

脈拍は、心拍を反映しています。
一分間に心臓が送り出す血液量(心拍出量)が、循環系の指標の一つです。

 

一回の拍出量(正常では60〜80ml)は、脈の触れ方で推定できます。
脈拍のふれ方と数で、心拍出量を推定するということが、脈拍測定の意義です。

脈拍測定の測定方法

脈拍は、通常、橈骨動脈(トウコツドウミャク)で測定します。

 

浅側頭動脈、総勁動脈、上腕動脈、大腿動脈、膝窩動脈、後脛骨動脈、足背動脈でも、
脈を触れることが可能です。

 

体温計を腋窩に挟んでいる場合は反対側で測りますが、
片麻痺のある患者さんは、脈拍を測定する時も、麻痺のない健側で測定します。

 

リズム不整がある場合は、必ず一分間測定します。

脈拍の観察ポイント

最低でも、数、リズム、強さ(ふれ方の強さ)を観察します。

 

(1) 数

 

・100回/分以上 : 頻脈

 

頻脈時は、患者さんの動悸や息切れの有無についても確認します。

 

・60回/分以下 : 徐脈

 

徐脈時は、患者さんにふらつきがないかを確認します。

 

(2) 強さ

 

・脈の触れ方が弱い : 心拍出量が減少している。

 

・脈の触れ方が弱い : 心拍出量が増加している。

 

・評価を行うためにも、正常の脈拍の強さ(触れ方)を自分の脈拍で確認しておく。

 

(3) リズム

 

・正常 : 規則的なリズム

 

・リズム不整がある場合 

 

どのようなリズム不整なのか、結滞(脈拍が規則的に抜ける=期外収縮)か、
不規則に乱れるリズム(心房細動)なのかをしっかり観察し、報告します。

 

結滞がある場合は、一分間に脈が抜けた数も一緒に数えます。

脈拍の評価

患者さんの通常の脈拍数、リズム不整の有無を把握した上で、
自分の測定・観察結果から評価をします。

 

脈拍数が増加し、強さも強い場合は、
患者さんの動悸の有無や、冷汗・顔面紅潮など随伴症状の有無についても確認します。

 

リズム不整がある場合も、自覚症状があるかどうか、
動悸があるかどうかを確認します。

ケアの際の配慮

脈拍は、患者さんの循環の状態を示しています。

 

早期発見のため、異常時には速やかに看護師に報告することが最も大切です。

 

ケアを行う時には、患者さんの動悸や息切れなど、自覚症状に応じて、
患者さんに負担がないように配慮し、観察し、声をかけ、
ケア後には再度、脈拍や血圧などの観察を行い、身体状態を評価していきます。

看護師への報告

看護師に報告をする際は、脈拍の数、強さ、リズムについて簡潔に報告します。

 

例えば、「P=65回/分、整のリズム、触知良好で異常はみられませんでした。」
というように、数だけでなく、リズムや触れ方の強さは最低限報告します。

 

脈拍のリズム不整がある場合は、どのような不整なのか、
結滞(脈が抜ける)があるのか、その場合はいくつ抜けるのかについても測定します。

 

脈拍の異常は、心臓の異常を意味していますから、
緊急性を要する場合も少なくありません。

 

患者さんの自覚症状、胸痛があるかどうか、意識状態はどうかなどを含め、
異常がある場合は早急に報告します。