看護実習生のためのバイタルサインのイロハ

体温測定で分ること

体温とは、身体内部の温度のことです。

 

そして、体温は脳や心臓などの身体深部の温度を示していて、
理論的には心臓の左心室から送り出される大動脈の血液の温度を示しています。

 

ですが、実際には身体内部の温度を測ることは難しいので、
より身体内部に近い温度が得られ、測定しやすい「腋窩」、「口腔」、「鼓膜」などで代用します。

 

このように体温を測ることによって、
発熱の有無や病気の経過、治療効果を知ることが可能になります。

体温測定のポイント

体温は、腋窩や口腔、鼓膜、直腸で測ることができます。

 

どの部位で測っても、最も高い体温を測定できるように注意することが大切です。

 

腋窩での測定方法

 

・腋窩動脈にあたるように下から上へ、45度くらいの角度で体温計を挿入します。
・測定中は腋をしっかり閉じます。
・測定時間は、実測式5分、予測式1〜2分です。

 

腋窩で体温を図る際に気をつけること

 

・腋窩をあらかじめ閉じておきます。
・汗を拭いてから測定します。
・常に同一側で測定します。
・炎症や疼痛、麻痺、乳房切除直後の患側では測りません。
・体温計は腋窩の最深部に挿入します。
・測定時間を守りましょう。

体温の評価

体温は、外部環境や日内変動、活動・運動、年齢差、個人差によって変動します。
ですから、患者さんの日々の体温や活動状況などを十分にアセスメントします。

 

アセスメントの結果、患者さんの体温の変化が
外部環境や日内変動、活動・運動などによるものではないときは、
何らかの原因によって体温調節のバランスが崩れていると考えます。

 

体温調節中枢のバランスが崩れると、
体温が37℃以上と高くなったり、35℃未満に低くなるなど、
高体温や低体温を引き起こします。

 

高体温には、「うつ熱」と「発熱」の2つがあります。

 

うつ熱は、環境温度がとても高かったり、激しい運動をした後に、
体内に熱が蓄積されている状態をいいます。

 

発熱は、感染症や悪性腫瘍、アレルギー疾患、薬の副作用、脳の障害など
病的な要因が原因となります。

 

熱型(ねっけい)や、臨床検査の結果を元に、
何が原因で発熱しているのかをアセスメントすることが必要です。

発熱時のケア

発熱・解熱のプロセスには3つの段階があるので、その経過にあわせたケアを行う事が必要です。

 

発熱期

 

悪寒戦慄(おかんせんりつ)、頭痛、倦怠感、関節痛、四肢冷感などの症状があります。

 

保温し、医師の指示がれば、解熱鎮痛剤を投与します。

 

極期

 

顔面紅潮、食欲不振、倦怠感、呼吸・脈拍の増加など。

 

* 体温が1度上がると、心拍数は10回ほど増加します。

 

冷罨法を行い、高カロリー・高タンパクの食事、ビタミン補給をします。

 

解熱期

 

大量の発汗、不感蒸泄増加、口渇、尿量減少などの症状がみられます。

 

水分やナトリウムの補給をし、全身清拭や含嗽による清潔保持を行います。

体温測定後の報告と相談のポイント

患者さんの体温を測ることによって、発熱の有無や病気の経過、
治療効果について知ることが出来ます。

 

指導看護師に報告をするときには、
体温(熱型)、脈拍・血圧・呼吸など他のバイタルサインとの関連、
その他必要時は感染症データ(白血球数、CRPなど)など、客観的データを報告し、
さらに、高温時は熱感や頭痛、悪寒、倦怠感、関節痛の有無など
主観的なデータについても報告します。